2020年05月23日 (土)
2020年5月11日(月)
事例発表「生活リハビリによる自立支援」
入所から在宅復帰に向けた取り組み
3F介護主任 村上 幸子
事例 78歳・女性・旦那様と二人暮らし。
内臓疾患や骨粗鬆症などの様々な病気を患っていた中、全身に
痛みを生じ、体を動かすことが困難となり、救急外来を受信される。
検査により新たに胸椎圧迫骨折や腎機能障害などが見つかり、
そのまま入院となる。その後、加療による状態が、落ち着いた
ことにより入所。
入所時は円背が強く無気力で、こちらの質問に対して、辻褄
の合わない話をされてました。また、ふらつきも見られ左眼が
ほとんどみえないため転倒のリスクが高く、排泄も不安があり
ました。
今後について本人の思いや目標を聞いてみました。
・旦那様のことが心配なので家に帰りたい。
・一人で歩けるようになりたい。
・茶碗洗いや、下膳を手伝いたい。
など話してくれました。
本人の目標ができたことにより、今まで興味がなかった軽作業
を積極的に行うようになりました。他の利用者や職員にも
気づかいが出来るようになり、周りが見えるようになりました。
また仲間もでき、その仲間といっしょに朝廊下で歩く練習を
始めました。
リハビリと生活リハビリ
最初はシルバーカー歩行を行うも2~3m歩行すると、ふらついたり
左視野欠損により、周囲にぶつかったりしていました。
シルバーカー歩行の距離も伸びてくると徐々に杖歩行にも挑戦し始め
ました。自信を持ちだしてきたことで自ら茶碗洗いを手伝うように
なりました。
本人のやる気が強くなるにつれ、リハビリの成果もあらわれ
始めました。
独歩での階段昇降や、エレベーター操作を含めた歩行練習も
安定してきました。
在宅復帰を意識されるようになり、トイレなど日常生活も
杖で歩くようになりました。
在宅復帰に向け退所1か月前には、自宅へ1週間の外泊をし
旦那様に料理を作られてます。また転倒防止に段差を解消
する為に旦那様が滑り止めマットを敷いたり、手摺をつけて
くれました。
そして在宅復帰の準備は整いました。職員をはじめ他の利用者
が心から在宅復帰を喜んでくれました。本人も、やはり自宅が
一番落ち着くと話されてました。
最後に。
車椅子からシルバーカーへ、シルバーカーから杖歩行。
杖歩行から独歩へと段階的に目標が上がっていきました。
ここまで目標をクリアーできたのは、本人の努力は、もちろん
ですが家族のささえや他の利用者の協力があったからです。
また介護・看護・リハビリの職種をこえたスタッフたちが
同じ目標で情報を共有しながら、ブレることなく連携して
やりとげたからだとおもいます。
この経験を活かし、これからも在宅復帰にむけた取り組みを
施設一丸となって続けていきたいと思います。
なお、当荘では事例発表において、理事長自ら理事長賞を
設け発表した職員に直接、手渡しております。
職員の一生懸命を無駄にすることなく、取り組んだことを
正しく評価しております。事例発表は職員の動機づけの、
一つとなってもいます