2021年01月21日 (木)
2021年1月12日(火)
身体拘束について 身体拘束委員会
身体拘束の3ロック
①物理的に体を押さえつけて動けないようにする。
「フィジカルロック(身体的拘束)」
②薬の効果でおとなしくさせる。
「ドラックロック(薬物拘束)」
③言葉によって行動を押さえつける。
「スピーチロック(言葉の拘束)」
介護職員による利用者様への虐待被害を防ぐことを目的として
介護現場では3つのロックを廃止する取り組みが行われています。
いつもの声掛けがスピーチロック?
3つのうちフィジカルロックとドラックロックは道具が
なければ行えないが、スピーチロックは誰にでもできて
しまう危険があります。
介護現場において、何気なく使ってしまう「危ないから座っ
ていてください」「ちょっと待っていてください」といった
言葉。忙しさや、転倒を予防したいという思いから、ついつい
使ってしまいますが、これらも「スピーチロック」にあたるの
でしょうか。
スピーチロックに関するアンケートを実施
1スピーチロックという言葉の意味を知っていますか?
はい 76% いいえ 24%
2「立って」「待って」「座って」等の言葉を使ったことが
あり、また他の介護者が使っているのを聞いたことがあり
ますか。 はい 100%
3他の介護者が使っていた言葉でスピーチロックかなと思った
言葉を具体的に書いてください。
・ちょっと待ってください・早くして・座ってて・動かないで
・ダメ・立たないで・さっき行った ētc・・・
4それを聞いたとき、どのような気持ちがしましたか
・悲しくつらかった。
・利用者様の代わりに注意すればいいが出来なかった。
・言い方を変えるなど軟らかい言葉にすると良いのかも。
・行動を制限して心苦しいが危険を考えると仕方がない。
・スタッフの都合だと思った。子供に言っているような
気持ちだった。
・そのようなことを言って申し訳ないと思う反面、仕方が
ないと思った。ētc・・・
5自分が使ってしまう場合どのような時が多いですか。
・他の入所者様と関わっている時、他の仕事の途中。
・同時に何かを頼まれた時。
・利用者様が危ない時、一人で見守りしている時。
・忙しい時、余裕がない時、急いでいる時。ētc・・・
スピーチロックの対策
スピーチロックしがちな状況を作らない。(対応例)
・転倒リスクの高い方から就寝介助をする。
・見守りの眼が少なくなる前に、動く方のトイレ誘導をしてみる。
・触れては困るような危険物を置かない。→動かれたら困る状況
をなるべく作らない。
言葉の置き換え、クッション言葉。
「ちょっと待って」→「5分だけでも待ってもらえますか」
「動かないで」→「どうしましたか」
「それはダメ」→「これを使ってもらっていいですか」
ケアや業務方法を改善する。
スピーチロックが発生し得る状況を作らないことが大切です。
・利用者様を日々観察していると、その方の思考や癖などが
見えてきます。業務の中で余裕がない時間帯もわかってくると
思います。
・それらを見て介助に入るタイミング等を工夫すれば、上手
く対応できる場合もあります。
まとめ
実際の使ってしまう状況から、業務の負担の多さや、ストレス、
職員に気持ちの余裕がないように思われます。
スピーチロックを使ってしまう時間帯や利用者様を把握して、
週間の各勤務形態のタイムスケジュールを再確認する事も一つ
の対策でしょう。前もってその可能性を除く動きも意識して、
積極的に意見を出し合い、ケアや業務の改善に努めましょう。
これらの努力は介護事故を減らすことにもつながると思います。
言葉は、カタチに残らず使った側からは消えて行ってしまいます。
それゆえに不適切なケアを繰り返してしまう場合があります。
言葉は、それだけで人の心も身体も動かせる便利なモノです。
使い方を誤らないよう受け手に配慮した言葉がけを行っていき
ましょう。
by澤田