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令和3年3月の内部研修

2021年03月17日 (水)

2021年3月8日(月)
高齢者浮腫の病状の対策    岩渕 知 施設長

浮腫の病因・病態による分類
1血管内静水圧の上昇
心不全、腎不全、塩分摂取過多、静脈弁不全、静脈瘤
長時間の不動性座位。
2血管内膠質浸透圧の低下
ネフローゼ症候群、肝硬変、低栄養、吸収不良症候群
蛋白漏出性胃腸症。
3リンパ管閉塞
悪性リンパ腫、悪性腫瘍のリンパ節転移.
4血管透過性の亢進
突発性浮腫、炎症、アレルギー。
5その他
薬物性、甲状腺機能低下症、神経源生。

高齢者にみられる浮腫の病因・病態で特徴的なものは長時間の
不動性座位、薬物性、低栄養で、これに塩分過多、心不全、
静脈弁不全、静脈瘤などが加わります。

 

 

低蛋白性浮腫とリンパ浮腫の考え方

むくみ無し・・・正常

むくみ・・・・・リンパ浮腫  蛋白濃度7.0g/dl

むくみ・・・・・低蛋白性浮腫 蛋白濃度5.0g/dl

足のむくみ予防体操

・かかと上げ

・足首の運動

・足を弾ませる運動

・足の指の運動

がありますが、この体操は、かなり元気な人でないと出来ない

ので入所者の方には、せめて脚を伸ばし上げてもらい、それに

よってむくみは軽減されます。これ以上進行しないような姿勢

を取って頂きたいと思います。

 

 

リンパ浮腫治療における薬物療法

現時点ではリンパ浮腫単独に対する効果的な薬剤はない。進行

再発期と緩和医療期では全身浮腫に対して、その病態に応じて

種々の薬剤を使用する。

用語の統一

本研修委員会においてリンパ浮腫治療に関する用語を統一した

(これまで用いられてきた単語に併記も可)

一般的に用いられる用語

・複合的理学療法、複合的治療、CDT、CDP、CPT

・徒手リンパドレナージ、用手的リンパドレナージ、リンパ誘導

マッサージ、マニュアルリンパドレナージ、MLD、DLM

・セルフマッサージ、セルフリンパドレナージ、セルフドレナージ

・シンプルリンパドレナージ

・圧迫療法、圧迫

・弾性着衣、圧迫着衣

・バンテージ、弾性包帯

・バンテージ療法、リンパバンテージ

・圧迫下での運動、リンパエキササイズ

・間欠的空気圧迫ポンプ、空気波動マッサージ器

・間欠的空気圧迫療法、IPC

・麦穂帶、8(の)字帶、8の字巻、タケノコ巻

統一した用語

・複合的治療または複合的理学療法を中心とする保存的治療

・用手的リンパドレナージ(MLDの和訳)

・セルフリンパドレナージ

・シンプルリンパドレナージ(SLDの和訳)

・圧迫療法

・弾性着衣

・弾性包帯

・多層包帯法(MLLBの和訳)、包帯法

・圧迫下での運動

・間欠的空気圧迫装置

・間欠的空気圧迫法(IPCの和訳)

・8の字帶(麦穂帶)

付記「マッサージ」という用語は患者に誤解を招きやすいので

「ドレナージ」と表現する。

 

 

複合的治療

複合的理学療法を中心とする保存的療法

1用手的リンパドレナージ

2圧迫療法:弾性スリーブ・スットキング・弾性包帯

3圧迫下の運動療法

4スキンケア

複合的理学療法=複合的治療ではない。

5患肢の挙上

6生活指導(減量、無理はできない)他

靴下について

看護、介護で検討してもらいたい。

入所者が自宅から持ってきた靴下は、非常にゴムがきつく、

靴下のかたがついてしまうほど、しまりの強いものがほと

んどです。そこで足首のところのゴムが緩い靴下を是非

施設の方で準備できないものか、」よく検討してもらいたいと

思います。

 

 

さいごに

岩渕施設長からは様々なカタチで私達職員に対し問題点の改善や

解決の糸口を差し出してくれます。また「気づき」のきっかけと

なることを提示してくれます。今回の内部研修の内容を各委員会

が、それぞれの視点から考察することにより来年度のテーマの一つ

に考えてもらえればと思います。そして他人から多く学び、原理・

原則がわかり応用力がそなわるような委員会になっていくよう取り

組んで行きたいと思います。

by澤田

 

 

 

 

 

 

 

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