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令和2年11月の内部研修

2020年11月12日 (木)

2020年11月9日(月)

私たちにできる看取りとは   看取り委員会

看取りを考える―幸せな最期を迎えるには

私たちにとって理想の死とは?

「みなさんはどのような人生の最期を迎えたいですか?」と

いう質問に対して、65%の人が「突然死」と答えています。

その理由は、「家族に迷惑を掛けたくないから」となっています。

在宅介護は本当に大変なことであり「家族に迷惑を掛けるくら

いなら、突然死したい」そんな切ない思いがにじみ出ています。

また「死への心配なこと」という質問に対して、残される家族

のことを経済的に心配する人は男性に多く、精神的な立ち直り

を心配する人は女性に多いという結果となりました。

 

 

看取りって何?

死を迎えるのは、病院がいいですか?住み慣れた場所がいいで

すか?死を迎えるのに多くの方は「住み慣れた場所がいい」と

答えると思います。そこで、老人介護を行う多くの施設では、

看取り介護を行っています。

医療体制が病院と比べると不十分な施設の場合、病状などによっ

て病院に搬送することになりますが、それでも慣れ親しんだ場所

である施設で最期を迎えたいという利用者様の希望が多く看取り

介護が注目されています。

 

 

看取り介護の種類

(1)精神的ストレスの緩和

死を感じると誰もが不安や、寂しい気持ちになってきます。

出来ていたことができなくなるなど、喪失体験から大きなスト

レスを感じる方が多いです。そこで、利用者様に対して、相手

を理解するような声掛けをしたり、手や身体をさすったりと、

優しいコミュニケーションをとることで少しでもストレスを減

らせるように努めることが大切です。また、本人に希望を聞き

出し極力希望に沿った生活を送れるよう支援をしていきます。

(2)身体的ストレスの緩和

バイタル変化の管理、呼吸状態、声掛けへの反応等日々観察を

行います。また、死を間近にすると気分の変化も著しく、利用

者様の希望を引き出すために声掛けをします。特に、寝たきり

状態になることが多いため、褥瘡を予防するために、体位交換

を行ったり、クリーム等で皮膚を保持したりして身体への負担

軽減に配慮します。

(3)家族の方に対するケア

利用者様本人はもちろん、利用者様のご家族にもこまめに情報

を共有して、いつ最期を迎えるのかもしれないのか、またその

ために何をしていくのか、しっかり説明をしてご家族の納得を

得ることが大切です。

冒頭にもありましたが、利用者様自身は「家族に迷惑を掛けた

くない」と考えています。逆に家族は、利用者様に充実した人

生の最期を送ってほしいと考えています。このギャップを埋め

るのも介護職として大切な役割です。

 

 

利用者様が亡くなった後に重要なグリーフケアとは

グリーフケアとは、利用者様(お父さん、お母さん)等の身近

で大切な人を亡くし、大きな悲しみを感じている人を支えるた

めのケアです。

介護現場におけるグリーフケアでは、利用者様がどのような介

護を受けながら生活していたのかお伝えし、ご家族が納得され

精神的にも肉体的にも、利用者様の死を受け入れ、立ち直り、

正常な日常生活へ戻っていくことを支援していきます。

最初はどうしても死を受け入れられず、泣いて過ごすご家族も多

いと思います。その後家族に対して有効なのは写真や映像です。

利用者様のいろいろな場面の写真や映像を撮りためておくこと

で、ご家族も癒されていきます。グリーフケアのためにも写真や

映像を残していきましょう。

 

 

利用者様が亡くなるまでの介護職としての心構え

介護職は専門職です。利用者様がなくなることで精神的ストレ

スを抱えすぎると仕事を長く続けることはできません。とは言

いながらも「死に対して慣れるのもどうなんだろう」と思う方

も多いはずです。

そこで利用者様が幸せな最期を送るのかを考え、納得して感謝

の気持ちをもって最期を迎える、これを私たち介護職がプロデ

ュースするという気持ちで介護する気持ちが大切です。

 

 

さいごに

看取り介護は、介護職としての仕事と割り切るには、あまりに

も大きなことで、また明確な答えもないことから職員自身も、

悩み、不安もあります。私たちが人生の最後をゆだねられた

ことにより利用者様、ご家族と今以上に強く信頼される関係に

なれるよう、人生の最期を看取るというよりは、人の道として

人生の最期を支えあい共に生きる事ではないかと思います。

その人の、人生を尊重し、その人の生きざまの最期までお付き

合いさせていただく大切な役割と考え取り組んでいきたいと

思います。

by澤田

 

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