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令和2年1月の内部研修

2020年01月22日 (水)

2020年1月14日(火)

身体拘束について     身体拘束委員会

 

高齢者虐待としてみなされる

「身体拘束」と「不適切なケア」

昨年12月に虐待について外部研修を実践してますが、

今回は、内部研修として身体拘束委員会が発表しました。

虐待の芽ともいわれる不適切ケア(虐待とグレーゾーンに

あるケア)について事例をもとに問題点を考え、自分達の

ケアを振り返ってみました。

 

 

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不適切なケア

・同じことを何度も重ねて確認する。

トイレは済ませましたか、本当に行きましたか?など。

・名前を「ちゃん」づけで呼ぶ。

なれなれしい態度で接し、相手を軽んじている。

・「動かないで」と命令口調で声掛けする。

利用者の行動制限にあたる。(スピーチロック)

・トイレの使用を制限する。

さっき行ったばかりだからと制止したり、後回しにする。

・嫌がるのに入浴させようとする。

何日も入っていないから、清潔にしてあげたいからと

無理に入浴させるなど。

 

 

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不適切ケアを防ぐためのポイント

1 急がせていないか。

決められたスケジュ―ルを守ろうと、利用者をせかしたり

納得していないのにケアを始めていないか。

2 眼を見て話しているか。

利用者の背後から話しかけたり、目を見ずにケアを

していないか。

3 人として尊敬しているか。

利用者の目の前で認知症であることを話題にしたり、

子供に対するような接し方をしていないか。

4 利用者の自立を妨げていないか。

利用者のペースを無視して必要以上に手を出したり、

できることを奪っていないか。

5 高齢者の身体状況が想像できているか。

常に高齢者特有の心身の状態を想像し、ケアを

行っているか。

 

 

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まとめとして

虐待や不適切ケアの背景に、職場環境があることは、

歪めません。業務の忙しさや人員不足から、利用者の

気持ちに配慮する余裕がなくなると虐待や不適切ケアに

結びついてしまいます。

虐待や不適切ケアは、職場全体の問題です。見つけた

不適切ケアはみんなで話し合いケア全般を見直し職場環境

も含めた改善を図ることが必要です。

高齢者には、長い人生を頑張って生き抜いてきたという

自負があります。どのような場合でも、そのプライドを

きちんと考えた上で、対応していくことが大切です。

 

 

標準予防策について    感染症委員会

今回の発表は、昨年の青森県感染症対策研修会の

発表を兼ねた内容になっています。

標準予防策とは

・感染症の有無に関わらず、すべての人に分け隔てなく

実践する対策です。

・湿性生体物質(血液・体液・分泌物・排泄物など)には

病原体が存在しているかもしれないという原則に基づく

対策です。

 

 

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感染対策における従事者の役割

・自分が感染しない

・利用者を感染させない

・利用者間の感染を媒介しない

 

・標準予防策の必要性と目的

医療機関や社会福祉施設は、さまざまな感染リスクが

潜んでいます。その感染経路を遮断する為には、血液や

その他の体液との接触を最低限にし、伝播リスクを減少

させていくことです。

私たち従事者の日常の行動が大きく関与しています。

・標準予防策の考え方

医療現場で把握されている感染症例は、全感染症患者の

一握りにすぎません。検査で感染症陽性とわかっている

ごく一部の患者です。(氷山の一角)

感染者と非感染者を区別せず、すべての患者に等しく

標準予防策を実践します。

 

 

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感染経路別予防策で感染経路を遮断して感染を成立

させない。

・接触予防策

汚染された手指や皮膚、器具などの環境表面への接触に

注意する。具体的な対策として手指衛生や移動の制限、原則と

して個室隔離。

(多剤耐性菌・ノロウイルス・疥癬など)

・飛沫予防策

咳やくしゃみに含まれた飛沫の吸い込みに注意する。

具体的な対策として、集団隔離もしくは個室隔離、

飛沫拡散防止のためマスク着用。

(インフルエンザ・風疹・流行性耳下腺炎など)

・空気予防策

空気中を浮遊した飛沫核の吸い込みに注意する。具体的な

対策として、陰圧空調管理された個室。十分な換気と排気

マスクの着用。

(肺結核・麻疹・水痘など)

 

 

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まとめとして

・標準予防策に感染症・非感染症の区別はありません。

・湿性生態物質は感染の可能性ありとみなします。

・標準予防策の遵守は利用者と従事者を守り医療関連

感染発生のリスクを低減させます。

感染症の多くが接触感染であるため、従事者はもちろん

利用者の方も媒介にならないように、正しいタイミングでの

正しい手洗が一番大事です。

病院・介護施設・長期療養施設など施設形態はどうあれ

感染対策の目指すところは同じです。

利用者、従事者の双方の安全を守るため、全職員協力して

取り組む環境を構築していきましょう。

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